RAG 本社ビル(エッセン)
ドイツのエッセンにある、ユネスコ世界遺産のツォルフェアアイン炭鉱に建てられた RAG 本社は、ドイツで初めてCradle-to-Cradle® の理念に忠実に従って設計された建物です。
基本情報
所在地:エッセン(ドイツ)
設計/建設期間:2016年〜2017年
延床面積:9600㎡
使用システム:
- Schüco AWS 75.SI
- Schüco ADS 75.SI / HD.HI
- Schüco FWS 50.SI
設計者:Kada Wittfeld Architektur
建築主:RAG-Stiftung
サステナビリティと鉱業の伝統の出会い
先見性のある Cradle-to-Cradle® の理念は、何世紀も前から炭鉱業を営んできた RAG(元 Ruhrkohle AG)の新しい本社ビル全体に適用されています。このコンセプトの背景には、どのような素材でも、使用寿命が終わった後に自然の栄養サイクルや技術的サイクルに戻せるようにすべきであるという信念があります。そのため、このビルは、原材料の貯蔵庫として捉えられており、その資源は、ビルの使用が終わった後に、新しい製品や建物に再利用ができます。
Schüco における Cradle to Cradle® の詳細については、こちらをご覧ください。
複数の認証を受けたサステナビリティ
RAG の新しい建物は、サステナビリティを重視した考え方から、完全にリサイクル可能な地元の材料を使って建設されました。 例えば、シルバー認証を受けた Schüco の AWS 75.SI+ アルミニウム窓システムが使用されています。建物が取り壊しになったり、転用される場合には、それぞれの窓ユニットを完全にリサイクルすることができ、廃棄物ゼロのファサードを実現しています。 さらに、C2C 認証を受けたオーク材のパーケット床やカーペット タイルが使われていますが、これらは粒子状物質を吸着する性質を持っています。また、C2C 認証のガラス間仕切り壁システムも使われています。屋根面で地熱エネルギーシステムと太陽光パネルのついたパーゴラが統合されており、そこでサステナブルなエネルギーが発電され、使用されています。また、屋根に設置された植栽は、建設作業により閉ざされた地表空間の代わりとなり、生物の多様性を促進させています。
この特に革新的でサステナブルなソリューションは、多分野から集められたドイツの Umwelt & Bauen 賞の審査委員を感動させました。RAG 本社ビルは、DGNB のプラチナ認証も獲得しました。
© 写真:Jens Kirchner