気候保護
2040年までにゼロ エミッションを達成
気候保全は、私たちのサステナビリティ戦略の主な部分の1つです。私たちは、WWF とのパートナーシップを通じて、パリ議定書と同じ1.5℃に地球温暖化を抑えるような科学的根拠を持つ気候保全目標を設定しました。そして、2040年までには、環境に有害なものを一切排出しないことを目標に掲げています。その目標達成のためのプロジェクトを、我々は「エミッション ゼロ」と呼んでいます。
野心的な気候目標:科学的裏付け
Schüco 本社のあるドイツでは、自社におけるカーボンフットプリントを、2011年から体系的に記録しています。 私たちの目標の基本は、バリューチェーン全体においてカーボンニュートラルを達成することです。これは、2017/2018年のサステナビリティ レポートに記載されており、当社のように建設業界でこのようなレポートを出している会社はまだ多くはありません。この目標にあるCO2換算量の絶対的削減量は、科学的根拠に基づく目標設定 イニシアチブ(SBTi)によって検証されています。つまり、これらの削減目標が、1.5℃の限界を満たすために気候学者たちが計算した脱炭素化の水準を満たしているということです。 これにより、Schüco は、ドイツ政府が設定する目標よりも、さらに野心的な気候変動目標を設定している先進的なドイツ企業の1社に含まれることになります。
温室効果ガス排出について(ドイツ)
温室効果ガス排出について(ドイツ)
Schüco では、ドイツ国内における我々の温室効果ガス排出量を定期的かつ体系的に記録することで、CO2排出量を削減したり、エネルギーや環境に関する取り組みを行うための土台としています。このデータ収集は、DIN EN ISO 14064 という基準に従って行われています。経営や生産(エネルギー消費量、工業用水の使用と排水)、運送(社内および社外)、出張、通勤、紙の消費量、紙の印刷枚数などが記録データに含まれます。これらのデータは、TÜV NORD CERT により検証され、承認されます。 2016年までに、気候に関する総排出量はCO2換算で27,888トンまでに減少させることができました。一方で、2017年から2019年にかけては、ドイツ国内における排出量が増加しました。これは、会社の成長に伴う運送拡大と、従業員数の増加による出張の増加が主な要因となっています。
私たちの成功事例
Schüco では、気候保護目標を設定する以前から、温室効果ガス排出を減らすための様々な取り組みを行ってきました。 例えば、全ての拠点で建物モニタリングシステムを導入したり、ドイツ本社の大部分の暖房設備を、より排出量の少ない地域暖房に切り替えたり、運送手段を最適化するために新管理ツールを導入しました。さらに、グリーンエネルギーへの切り替えは、2012年に行われています。これらの取り組みにより、エネルギー関連の排出量をそれまでの10%以下にまで削減することができました。全体として、2011年と比べて、温室効果ガス排出量55%削減を達成することができました。
Science Based Targets イニシアチブについて
Science Based Targets イニシアチブについて
Science Based Targets イニシアチブ(SBTi/科学的根拠に基づく目標)は、国連グローバル コンパクト、世界自然保護基金(WWF)、世界資源研究所(WRI)、非営利団体 CDP のパートナーシップを通じて、創設されました。このイニシアチブでは、科学的に実証された気候変動目標に対して、各企業が設定した目標を独立評価することで、カーボンフリー経済への転換を図る企業を支援しています。 Schüco の他にも1,000社以上の企業がSBTi の呼びかけに応じ、地球温暖化を1.5℃に抑える、または2℃より低く保つ、というパリ議定書の目標に合致した、科学的根拠のある気候変動目標を設定しています。
包括的エミッション削減策
Schüco が2040年までに達成を目指す二酸化炭素換算値での温室効果ガス排出削減は、3つの領域に関連したもので、私たちはこれを Scope(対象領域)と呼んでいます。簡単に説明すると、Scope 1 は、Schüco におけるエネルギー消費によって、私たち自身が生み出す温室効果ガスの排出に関するものです。Scope 2 は、照明や IT 機器に必要な電力など、私たちが使うエネルギーに関するものです。そして、Scope 3 は、最も難しい領域で、当社製品のライフサイクル全体を対象とするものです。ここには、サプライチェーン全体に加えて、当社製品の加工、使用、廃棄が含まれます。排出量の99%は Scope 3 に含まれ、そのうちの86%は購入された商品やサービスです。つまり、Schüco が直接影響を与えているのは排出量のごく一部で、サプライヤーとの緊密な協力なしには、我々の掲げた目標の達成は難しいのです。
現状
2017年から2019年の間、ドイツ国内での温室効果ガスの排出量は低下傾向にあったものの、絶対量は増加しました。その主な理由は、会社の成長に伴う輸送拡大、そして、従業員の増加に伴う業務関連の移動の増加です。 世界的に考えると、2019年以降、温室効果ガスの排出量は科学的根拠に基づく目標設定をにより導入された精度の高い算出根拠による影響も受けたと考えられます。EPD を参考にしたヨーロッパの平均データ(文献データ)に頼る代わりに、私たちは、最大のプレス加工により作られたアルミニウム形材の実際の排出データ(一次データ)を考慮してきました。これらの数値は、以前使われていた平均値をわずかに、ときには大きく上回っています。
COVID-19 の大流行により、2020年には反対の傾向が見られました。現場の営業スタッフによる仕事のための移動(スコープ 1)や出張の数や移動距離(スコープ 3)は、大きく減少しました。これにより、スコープ 1 の排出量は10%減少し、二酸化炭素換算でおよそ 9800tとなりました。一方で、スコープ 3 の排出量も6%近く減少し、二酸化炭素換算で 1,780,000t となりました。スコープ 2 の排出量も減少しましたが、下げ幅はわずか0.3%で、二酸化炭素換算でおよそ 3900t となっています。2020年における3つの 指標 すべてを合計した排出量は、二酸化炭素換算で合計 1,793,238t となり、2019年から5.8%減少となりました。
共に挑戦する
私たちは、建設業界が秘める潜在的可能性に気づいています。環境にやさしい建設は、パリ協定の目標を達成するために、今すぐにでも実行する必要があります。私たちは、野心的な気候保全目標に取り組むことで良い模範を示し、業界内のサステナブルな製品開発をけん引したいと考えています。 WWF とのパートナーシップでは、これらの目標が、具体的な手段へと落とし込まれ、日々の業務にしっかりと結びつけられました。WWF は、独立した環境保護団体として、私たちの取り組みのさらなる発展や実施を支援するだけでなく、その有効性も検証してくれます。このような取り組みを通じて、私たちは目的意識を持ち続けながら解決策に果敢に挑戦していくことができるのです。